野良猫の赤ちゃんを保護したり、生まれて間もない子猫を譲り受けたら、すぐに用意してあげたいのが子猫用ミルクです。
猫の赤ちゃんはキャットフードを食べることも消化することもできません。
生後4週間は人間がママ猫の代わりとなって、高脂肪・高タンパクな「子猫用ミルク」のみで育ててあげましょう。
このページでは子猫へのミルクの与え方や押さえておくべきポイント、おすすめの子猫用ミルクについてまとめています。
成猫やシニア猫のケースもご説明しますので、あなたの猫ちゃんにミルクを与えるときの参考にしてくださいね。
猫用ミルクと牛乳の違い
「猫に牛乳を与えても大丈夫」と思っている人は多いのですが、これは大きな間違いです。
牛乳に含まれる乳糖という成分が、大体の猫に下痢を起こさせてしまうのです。
人間も牛乳を飲むとお腹がゴロゴロすることありますよね。あのゴロゴロの原因になるのが乳糖です。
とくに生まれたばかりの子猫は下痢を起こすと衰弱し、命にかかわる危険性も。
牛乳だと子猫の成長に必要な栄養も足りませんので、かならず子猫用に調整された「子猫用ミルク」を用意してあげてくださいね。
また、成猫やシニア猫でも牛乳で下痢を起こしたり、咳や身体が痒くなる牛乳アレルギーを起こしてしまうことがあります。
猫の健康のためには人間用の牛乳ではなく猫用ミルクを与えましょう。
猫ミルクの種類
粉ミルク
粉末をお湯で溶かして作るミルクです。
作る手間がかかりますが、飲ませる分だけ作ったら残りの粉末は保存しておけるので便利です。
パッケージに書かれている分量をお湯で溶かしたら、人肌の温度まで冷ましてから与えましょう。
値段は液体ミルクよりリーズナブルなものが多いです。
液体ミルク
温めてそのまま与えることのできるミルクです。液体タイプも与えるときは人肌の温度に温めます。
作る手間がなくすぐに飲ませられるので楽ですが、一度開封すると保存が効かない使い切りのものがほとんどです。
ヤギミルク
ヤギのミルクもペットショップなどで動物用ミルクとして販売されています。
人間の牛乳に比べると猫が下痢をしにくいので、猫に飲ませても大丈夫ですよ。
ただし子猫用ミルクよりも栄養価は低いので、子猫には子猫ミルクを与えたほうが良いでしょう。
成猫や高齢猫のおやつとして与えても良いですし、水をあまり飲まない猫への水分補給としても便利です。
年齢別・猫用ミルクの選び方
猫の年齢別に、ミルクの選びかたと与えかたをご説明します。おすすめミルクの紹介も!
生後0~4週・赤ちゃん猫のミルクの選び方
生後間もない赤ちゃん猫には「子猫用ミルク」を選びましょう。赤ちゃん猫は成長のために特に多くの栄養が必要です。
成猫用やヤギミルクだと栄養失調になる恐れがあるので、高脂肪・高タンパクな子猫用ミルクが必須です。
赤ちゃん猫におすすめの猫ミルク
生後0~4週・赤ちゃん猫へのミルクの与え方
粉ミルクの場合は付属されているスプーンでパッケージに書いてある分量を計り、子猫用の哺乳瓶にいれてお湯で溶かします。
粉とお湯を一気に入れるとダマになりやすいので、少しずつ混ぜて確実に溶かしましょう。
液体ミルクの場合はそのまま湯煎して温めます。
ミルクの温度はママ猫の体温と同じ38℃くらいにしてから与えましょう。
ぬるいと猫は飲みませんし、熱いとやけどしてしまうので気をつけてくださいね。ミルクを与えるとき、赤ちゃん猫の姿勢はうつ伏せの状態にします。仰向け(お腹が上)の姿勢だと、吐き戻したりミルクが気管に入り込んで肺炎を起こしてしまうことも。かならず背中を上にして、猫が欲しがるだけ飲ませてあげましょう。また、ミルクは与える度に新しいものを作ってあげてくださいね。飲み残した分は取っておかずに破棄します。残しておくと細菌が繁殖し、赤ちゃん猫がお腹を壊す危険があるからです。
生まれたばかりの赤ちゃん猫は、2時間おきにミルクを欲しがります。お世話は大変ですが、可愛い赤ちゃん猫のため。夜中にもしっかり与えてあげてくださいね。
赤ちゃん猫の授乳回数の目安
・生後0週 2時間に1度
・1~2週 3時間に1度
・2~4週 1日に5~6回
生後4週以降・子猫のミルクの選び方
生後4週以降の子猫も「子猫用ミルク」と書いてある物を選びましょう。まだまだ身体が作られる時期なので、成猫用やヤギミルクの栄養では足りません。
メーカーによって子猫の好みが分かれるため、あまりミルクを飲まない子猫には新しいメーカーのものを与えてみるのも良いでしょう。
子猫におすすめの猫ミルク
生後4週以降・子猫へのミルクの与え方
生後4週間ころを過ぎたら、ミルクをお皿から飲んでもらうことにチャレンジします。
38℃くらいに温めたミルクをお皿に注ぎ、子猫の足元に置いてみましょう。
慣れてくれば自然とお皿から飲めるようになりますよ。
この頃から子猫用のウエットフードを食べたり水を飲めるようになりますので、ミルクの量は少しずつ減らしていきましょう。
ウエットフードを食べ始めてから2週間くらいが卒乳の目安です。
ただし子猫の成長には個体差がありますので、ミルクを欲しがる場合は無理に減らさず飲ませてあげてくださいね。
成猫のミルクの選び方
成猫にはカロリー控えめの「成猫用ミルク」を選びましょう。
子猫用を飲ませると肥満の原因になることもあるので、太り気味の猫ちゃんは注意してくださいね。
また、お腹の調子をととのえる乳酸菌など、付加栄養がプラスされているミルクもあります。
猫ちゃんの身体のお悩みに合わせて用意してあげても良いでしょう。
成猫におすすめの猫ミルク
成猫へのミルクの作り方・与え方
あまり水を飲みたがらない猫や食欲のない猫、産前産後の猫にもミルクはおすすめです。
粉ミルクの場合はパッケージに書いてある分量を計り、お湯で溶かしてから与えます。
液体ミルクの場合は湯煎して温めてから与えましょう。ぬるすぎず熱すぎず、人肌の温度で作るのがポイントです。
フードを食べた後のタイミングや、おやつの時間に飲ませてあげてくださいね。
置きっぱなしにすると細菌が繁殖してしまいますので、飲まなかったミルクは捨てましょう。
7歳から・シニア猫のミルクの選び方
高齢の猫には低脂肪の猫用ミルクを与えましょう。
脂肪分の多いミルクを与えると、お腹の中で分解できずに下痢を起こすことがあるからです。
「シニア猫用」と書いてある物を選んであげれば安心です。
また、猫は高齢になるにつれて食欲がなくなることも多いですよね。「何も食べてくれない」と頭を悩ませたことのある飼い主さんも多いはず。
そんなときにも猫ミルクはおすすめです!キャットフードに粉末のままふりかけて風味を出したり、水をあまり飲まない時の水分補給にもなりますよ。
シニア猫におすすめの猫ミルク
シニア猫へのミルクの与え方
成猫用ミルクと同じく、パッケージに書いてある量を人肌の温度に温めてから与えましょう。
なかなか食欲の湧かない老猫さんには、ドライフードを粉々に砕いてミルクでふやかしたものを与えるのもおすすめです。
ミルクでふやかすと香りが出るので、フードを食べやすくなりますよ。
猫用ミルクの疑問
猫がミルクを飲まないときは?
猫がミルクを飲まないのには、様々な理由が考えられます。猫はミルクが熱すぎてもぬるすぎても嫌がりますし、味の好みもそれぞれです。
あまり飲んでくれなければ、別のメーカーのミルクを与えてみると良いでしょう。
とくに注意が必要なのは赤ちゃん猫です。赤ちゃん猫はミルクを飲まないと、衰弱して命にかかわるケースも多いのです。
ミルクを飲まない場合はすぐに獣医さんに診てもらってくださいね。
猫用ミルクで下痢をしたら?
子猫でも成猫でも、ミルクが下痢の原因になることがあります。ミルクが冷たすぎたり濃すぎると猫は下痢を起こしてしまうので要注意。
下痢を起こしたら一度ミルクはストップしたほうが良いでしょう。子猫の場合は下痢で衰弱してしまうので、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
猫に犬用ミルクを与えてもいいの?
猫用ミルクと犬用ミルクは成分が違います。犬用のミルクだと猫に必要な栄養素が足りません。
猫の健康を考えると、猫用ミルクを与えてあげたほうが良いですね。
まとめ
子猫だけでなく、成猫や老猫さんの水分補給にも猫ミルクはおすすめです。
ミルクの風味で食欲が増す猫ちゃんは多いので、体調に合わせて与えてあげると良いでしょう。
メーカーによっていろいろな味と香りがありますので、あなたの猫ちゃんの好みに合うものを探してあげてくださいね。